恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「あら、鴇田さん」

 入ってきたのは、松口課長だった。

 課長は私の隣に並んで、

 アイラインを直し始めた。

「課長、お肌キレイですね」

 年の割には、とはもちろん言わない。

 課長はうふふと笑って、

「アンチエイジングに命かけてるもの」

 とおどける。

 そして鏡越しに私の顔を見ると、

「あら、今日は随分ひどい顔してるのね」

 ガツンと事実を突きつけてきた。

「ちょっと夜更かししちゃいまして」

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