恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 違う!

 私が求めていたのはそんなことじゃない。

「あんたの性癖には、応えられない」

「お前に拒否権なんてないんだよ」

 そのセリフだって言ってもらいたかった。

 けど、こういうことじゃない。

 もっと甘くて温かくて、とろけるような愛情の中での戯れなの。

 手を振り乱しても、掴まれて自由が利かない。

 涙がポロリとこぼれた。

「もっと泣け」

 泣きたくなんかない。

「お前が言ったんだろ? 俺みたいな男が欲しかったって」

「ちがっ……」

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