恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「大輔ぇ……」

 極限状態で、私の口から出たのはこの名前だった。

 雅彦は胸から手を離し、

 そのまま私の頬をぶった。

「大輔ぇ? 誰だそれ?」

 腕を掴んでいる手に力が入る。

 胸の痛みで気付かなかったけど、

 押し付けられた腕も結構痛んでいた。

「お前が呼んでいいのは俺の名前だけなんだよ」

「私の好きな人なの」

「ああっ?」

「私のこと、大事にしてくれるの」

「何言ってんだ、お前」

「あなたじゃないの!」

 パシン!

 また、ぶたれた……。

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