恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「わかんねーなー、俺には」

「そうよ。そもそもあんたがイケメン社長なんかになれるわけないし」

「社長、ねぇ」

 寝室で着替えた大輔が同じソファーに座ると、

 いよいよ気持ちが落ち着きを失ってきた。

「わかってるの、そんな人、そうそういないって」

 大輔はタバコに火をつけた。

「だけど、どこかにいるんじゃないかって、もしかしたら出会えるんじゃないかって、期待してるの」

 ふーっと吐いた煙が部屋の上の方へ上っていく。

「無理だと思うぞ。イケメン上司のほうがずっとマシだな」

「だから、わかってるって」

 イケメン上司も、結局ダメだったけど。

 大輔はタバコの火種を灰皿に押しつぶし、立ち上がった。

「行くか」

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