恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「別にいいだろ、異動くらい」

「よくない」

「どうして?」

「好きだから」

 とは言えなかった。

 言えば何かが変わるかもしれないけど、

 ショックを受けている今、

 そんな勇気が出せなかった。

 拗ねている私を見かねて、大輔は袋からサンドウィッチや野菜ジュースを取り出しながら

「今夜、時間ある?」

 と聞いてくる。

「あるよ」

 と言えばいいものを、不貞腐れている私は

「どうしてもって言うなら取ってあげる」

 という答え方をしてしまった。

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