恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
「ゆめ」
呼ばれて体を起こすと、隣の席に大輔が座っていた。
何よ、今更。
先月から異動がわかっていたはずなのに、
私なにも聞いてない。
「食ってないんだろ?」
差し出されたコンビニ袋には、私の好きそうな食料がいくつか入っている。
食欲なんて湧かない私は、
せっかく買ってきてくれたそれに礼も言わずにまくし立てた。
「異動なんて、聞いてない。秘書課とか、意味わかんない」
「言うタイミングつかめなくて」
「嘘。たくさんあったじゃない」
この間なんて、一緒の部屋で一晩過ごしたのに。
ああ、あれは雅彦のことがあったからか。