恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
私は縛られているところが傷つくのをためらわずに腕を振り乱して、
自分をなんとか解放させた。
所々に傷ができたが死ぬよりはマシ。
荷物を持ち、
素肌が隠れるだけの服を着て、
ホテルを飛び出した。
設備が古いホテルで良かった。
自動精算機の設置されているところは
金を支払うまで出られない。
あたしはヒールのサンダルで必死に走り、
命からがら通りがかったタクシーに乗った。
涙で顔がぐしゃぐしゃだ。