恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~



「それで、うちに逃げ込んで来たわけね」

 呆れた顔で、親友の中居梨香がため息をついた。

 美しい顔が歪んでもったいない。

「だってぇ。ホントに殺されると思ったんだもん」

 私はティッシュを何枚も使って、

 涙と鼻水を拭う。

 今までもろくな恋愛をしてこなかったけど、

 こんなに酷い男は初めてだ。

「ねぇ、ゆめ。あんたが言ったんでしょうよ」

「何て?」

「ドSの男と付き合いたいって」


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