恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 ランチに行くのも面倒になるほど、

 波のように疲労が溢れてくる。

 お局様はデスクに戻るなり、

 涼しい顔のままパンパンと手を叩いた。

「みんなー。お疲れ様。ちょっと注目してちょうだい」

 ガヤガヤしていた部屋が途端に静かになった。

「もう気付いてるでしょうけど、こちら、今日からうちに配属になった鴇田さん」

 ここに来て、やっと与えられた自己紹介のチャンス。

「鴇田ゆめです。よろしくお願いします」

 何度もシミュレーションしていたように

 明るく元気良く、とはいかなかった。

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