恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
あれよあれよと勝手にコトが運ばれていく。
「北川さん……」
女が不満そうな顔を大輔に向けた。
「ごめんね江藤さん。お騒がせしちゃって」
ほほう、江藤というのかこの女。
「いえ。お大事に」
私に向けられたのは、心のこもっていない言葉だった。
「ありがとうございます」
何となくお礼を言う。
切れ長王子こと陣内係長に目を馳せると、
心配そうに私を見てくれていた。
ここで一気に距離を縮められると思ったのに……。
大輔のバカ。
「いくぞ、ゆめ」
名前で呼ばないでよ。
カン違いされちゃうじゃない。