執事と共に賭け事を。
「……春樹クン、それはルール違反だろう」

「何を仰います。こんな的を使うほうがよほどルール違反かと思われますが」


春樹が放ったのは銀食器のナイフだった。

危険物は持ち込めないこの空間で、春樹が扱える唯一のナイフだった。

恵理夜は、あの時春樹が銀食器をひっくり返した意図の答えを知った。
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