執事と共に賭け事を。
「飲み物が、必要かな」


相手は、余裕の笑みで給仕を呼んだ。


「君は、何を飲みたいかな」


恵理夜から、目を離さない緩やかな瞳。

恵理夜は、答える余裕もなく、ただ浅い呼吸を繰り返すしかない。


「お嬢様、」


つい、とアイスティーのグラスが差し出される。


「春樹、」


恵理夜の目が驚きに見開かれる。
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