執事と共に賭け事を。

場に出されたカードが、相手の手札に加えられる。

恵理夜が２１枚、相手が１８枚。

およそ互角の勝負が始まった。

しかし、ヒガキのダウトによるコールは無くなった。

その目は、時々春樹に向けられていた。


『私が、貴方の後ろで、見守っております』


春樹の言葉を理解した。


ヒガキは、恵理夜のダウトコールの失敗によるバストを待っていた。


しかし、勘がよみがえった恵理夜にそれが通用するとは思えない。

ダウトは、理論上終わらないゲーム。

そろそろ最初に破棄された13枚もおおよその特定がつき始める。

確実なダウトコールが、可能になるはずだった。

しかし恵理夜は、春樹に与えられた運を最大限に使おうとした。