執事と共に賭け事を。
「恥ずかしい話、閉所恐怖症でね。扉が開かないことに焦って電気も消してしまうし、余計に慌ててしまったのさ。助けてくれたことに感謝するよ」


あくまで明るく振舞おうとする青年の手を、恵理夜は握った。


「まだ、震えています」

「情けない限りだよ」


と、拳をつくりその震えを止めようとした。


「無理に、止めることはありません」


恵理夜は、凛と言い放った。


「身体の好きにしてあげてください」


青年は、言葉を失い手の力を抜いた。

震えが強くなった。
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