執事と共に賭け事を。
「お姿が見えなくなったので心配しました」

「……貴方の、元恋人だそうね」


春樹は、言葉を詰まらせた。

やはり、ツバキの言葉に嘘は無かったと確信した。


「一勝負って?」

「ダーツですよ」


春樹の命中に関する集中力は並大抵のものではない。

投げたものは必ず命中させるのが、彼の特技だ。

――ダーツはそんな彼に打ってつけの競技だろう。


「得意そうね」

「彼女には及びません」
< 52 / 254 >

この作品をシェア

pagetop