執事と共に賭け事を。
恵理夜は、ツバキの姿を目で追った。


――ふと、目が合ってしまった。


ゆったりと細められる目。

微笑んでいるように見えるが、敵意も感じた。

その時、きらきらと一瞬澄んだ金属音が響いた。



――がしゃん



だがその一瞬を越えた途端、それはけたたましいものに変わった。

光る銀食器が床へと散らばる。

カウンターの端に積まれた、軽食用の銀食器だ。
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