執事と共に賭け事を。
「その、目の強さは自ら手に入れたものだろうね」

「はい?」

「平凡なお嬢様に、そんな目はできない」


と、賞賛するようなヒガキの瞳を、恵理夜は真っ直ぐに見れなかった。

ただ、見られている自分を感覚するしか出来ない。


「例えば、君は僕の嘘を見透かしたね」


ヒガキが倒れたときの話だろう。


「いえ、勘ですよ」

「けれど、さらに君はあのディーラーのイカサマを見抜いた」


先ほどのテーブルでのやり取りを聞いていたのだろう。

恵理夜は少し驚いた。
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