執事と共に賭け事を。
「君達のテーブルの奥で聞いていたんだ。君の言葉には驚いた。実際調べさせたら、あのディーラーは本当にイカサマをしていた」
「でも、ディーラーがイカサマをするメリットって……」
「客と組んでいたようだよ。まったくタチが悪い。その点、君の能力には感謝しているよ」
「でも、これはあくまで勘です。万能じゃないもの」
「万能じゃない?」
「ええ、通用しない相手もいます」
「例えば?」
「お祖父様や叔父様、それから、春樹には、通じませんね」
「おやおや、それはどうしてかな」
さあ、とでも言うように恵理夜は肩をすくめた。
「でも、ディーラーがイカサマをするメリットって……」
「客と組んでいたようだよ。まったくタチが悪い。その点、君の能力には感謝しているよ」
「でも、これはあくまで勘です。万能じゃないもの」
「万能じゃない?」
「ええ、通用しない相手もいます」
「例えば?」
「お祖父様や叔父様、それから、春樹には、通じませんね」
「おやおや、それはどうしてかな」
さあ、とでも言うように恵理夜は肩をすくめた。