彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜



でもそのことは浬世也には言わないでおこう


優ちゃんは浬世也が好きな訳だし、ここで話を複雑にするわけにもいかないし



「斗真くん、好きな人がいるみたいなの」


「は?」


浬世也は目を見開いて驚いている


それから何かを考える仕草をして



「それって菜々子じゃねーの?」



「……違うよ…だから泣いてんでしょ!」



浬世也は納得いきませんって顔で視線をさ迷わせる



そしてまた何かを考えているようだ



「あ〜!もうやめやめ!もう諦める!」



そうだよ


最初にフラれた時点で本当は諦めるべきだった



『彼女になろうと思わないこと』



あの時から決まった人がいたんだよ



それをズルズルくっついてても結局は都合のいい女になるだけなんだ



ギュ━━……


「━━え?」



「ホントに?」



見ると、浬世也が私のマグカップを持っていない方の手を強く握っている



「ホントに諦めるのか?」


浬世也の真剣な顔に一瞬私はドキリとした






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