+FLOWER+(仮)
「あ…忘れてた…」
そうだよ―—…
こんな大きな声で騒いだら普通に聞こえてるよ…
こんな大事な事忘れるなんて―
中津さんは刑事だよ!!
今更言い聞かせても無駄だけど…
「その日記って結衣さんに関係あるものですか?」
「関係あるってか、アソコ舞依の妹の家だよなぁ?うん。そっから投げられてた」
竜輝、もう喋らないで…?
私に不利な情報が出てきたら困るから
「中は見られましたか?」
「……えっとー」
お願い、もう話さないで―—
「それが、見れないっていうか…」
―—?!
日記を見れない…?
「鍵がつけてあったのか。壊せばいいさ」
「―—っ!壊さないでよぉ…」
とっさに刑事さんの腕をにぎる
そして押し出す
部屋から出てほしい―…
「舞依…違う!鍵じゃねぇよ」
「「え…?」」
中津さんと声が重なった
思いは同じ…
「じゃぁなんで開けれないの?」
「んー、ノートは開けれるけど…」
もう竜輝、意味わかんない。
少し戻すとなんで日記が投げられたのかも気になるし…
さっさと日記を見せてくれたら早いんだけど
中津さんには、警察には秘密で!
「あのノートに…」
そっと竜輝の口が開かれた
その唇の動きとそこから出される音を
私と中津さんが必死に見る。聞く。