恋色語
「…もう分かっただろ。お前見てると姉さん思い出すんだ。

もし姉さんが普通の生活してたらとか考えるけど…姉さんの幸せを奪ったのは…」

「もうやめてよ。…そんな事言うの絢香さん望んでないよ」


きっと片桐の幸せを望んでる。無視されても何言われてもずっと笑顔だったから。


「んな事分かってるよ!そんな言葉聞きあきた。俺だけ楽しくなんてできるわけがない。

それだけひどいことをしたんだ」


もういいよ。片桐の気持ちは十分伝わった。それ以上自分を責めないでよ。


「片…」

「来るな」


片桐に一歩近づこうとしたが、歩みは止まってしまった。


「もうここに来ないでくれ。俺にも関わるな。頼む」


ぐっ。そんなの…そんなのって。
< 76 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop