やさしい手のひら・前編【完結】
「あの時の彼女は?」

「1ヶ月ちょっとですぐ別れた」

「それから一人なの?」

「いや、いろんな奴と付き合ったけど、長続きしねぇんだ。佐藤のこと好きだから」

「そうなんだ」

どうしてこう糸が絡まってしまうのだろう。元の原因は坂下と凌の浮気で、それがなかったら別れていなかった

「慎はこの修学旅行で何かやらかすぞ」

「どういうこと?」

「俺もはっきりとわからないけどまた告るんじゃね?」

「困るよ!」

思わず大きい声を出してしまった

「由里には祐介くんがいるし・・・」

「好きになるのに遠慮はいらねぇだろ」

凌は食べながら言った

確かに人に遠慮していたら、自分の幸せを掴めないのかもしれない。でも今、由里はとても幸せだからそれを壊してほしくない

「好きなことは止められねぇよ」

凌はそう言った。そうかもしれないけど。でもやっぱり壊してほしくない

「でも今、由里幸せなの。あんなにいっぱい坂下の時泣いて・・・由里の泣く姿みたくない」

私は目に涙をいっぱい貯めて凌を見た

「泣くな」

そう言って私の頭を撫ぜようとした。でも凌はすぐに手を引っ込めた

健太に会いたい

「亜美ー」

由里が走って私の所に来た

「助けてって言ったじゃん」

「だって、ご飯食べてたから」

「亜美泣いたの?」

「泣いてないよ」

やっぱり由里は鋭い

「あんた泣かしたでしょ」

本郷を睨みつけ由里は言った

「うん、泣かせた」

「何したのよ!」

周りの人がジロジロ私達を見ている

「何もしてないよ。だから由里落ち着いて」

「ほんとに?」

「うん」

私を心配してくれた、そんな由里の気持ちが嬉しかった

「私もうお腹いっぱい。部屋に戻る?」

由里に言うと由里も『もう食べない』と言ったので部屋に戻ることにした


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