やさしい手のひら・前編【完結】
さっき凌の言ったことは由里には黙っていようと思った。何かあった時は私が止めよう、そう思った

これから函館山に行くらしく、私と由里はまた制服に着替え、ホテルからバスに乗り、夜の函館を走った

頂上に着き、バスから降りて私は誰よりも先に夜景を見たくて、走って階段を登った

「うわー」

見惚れてしまうほど夜景がきれいだった。こんなきれいな夜景を見たのは初めてで感動してしまった。街がキラキラしていて、まるでクリスマスツリーでも見ているような景色だった

「すごい」

感動していると横から鈴木くんが来て

「お前の写真撮ってやったぞ」

「はあ?私一人?」

鈴木君はうんうんと頷いた

「ちょっと、なんで私一人なのよ。みんなで撮ろうよ」

そう言って班の子達を呼び、夜景の前に立ち写真を撮った

由里も私の隣でずっと夜景を見ていた

「祐介と来たいな」

「ほんとだね」

私も健太と来たいと思った。去年、健太達は雨が降っていて夜景を見れなかったと言っていた。いつか2人で来れたらいいな、と思った

♪♪♪~

「あっ、メール」

携帯を見てみると健太からだった

私はすぐ携帯を見た

『楽しんでるか?』

健太・・・

ちょっとだけの言葉だけど懐かしく思い、健太に会いたくなる

『会いたいよ』

私は今思っている気持ちを健太にメールした

するとメールではなく、着信で健太から電話が来た

「もしもし、健太?」

『楽しいか?』

「帰りたいよ」

『さっき行ったばっかだろ』

「うん…」

『今どこ?』

「函館山でね、夜景がすごくきれいなの」

健太の声を聞いただけで鼻が苦しくなる

『そっか、見れてよかったな』

「うん」

『待ってるからな』

「う…ん」

『じゃあ、切るぞ』

「うん、ばいばい」

電話が切れてしまった




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