やさしい手のひら・前編【完結】
「離せ」

「いやっ」

凌は私の腕を掴み、前を向き私を抱き締めた

「亜美が好きだ」

凌の腕が私を強く抱く。はっきりと私のことを『好きだ』と言った

「凌…私」

私は決めた

「凌、聞いて…私は凌とは付き合えない。そして健太とも別れる。2人を傷つけることはもうできない」

私は健太との別れを選んだ。そして、凌とも付き合わないことも…

これでみんな苦しまなくて済む。それが私の決断だった


「それは亜美の都合だろ」

「えっ」

「逃げてんじゃねぇよ」

私は逃げているかもしれない。どちらも選べない弱い自分の逃げ道なのかもしれない

ンッ

考え込んでいた私に凌がキスをしてきた

「ンッ…いやっ」

凌を突飛ばし、私は砂に座り込んだ

「どうして…」

両手で顔を追い指の隙間から涙が流れる

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