やさしい手のひら・前編【完結】
「どっちか選べよ!中途半端なことすんじゃねぇよ」

凌は私を怒鳴り、私の横を通ってホテルの方へ行ってしまった

どうしたらいいのかわからない。誰が大切なのかわからない。自分じゃ決められない。こんな自分が嫌でどうしようもなかった

「亜美!」

「由里?」

走りづらい砂浜を由里が走って来た

「由里…」

由里の顔を見た途端、安心してしまい声を上げて泣いていた

「亜美、大丈夫だよ」

そう言って私の背中をゆっくり擦ってくれる

「ロビーで本郷に会って話は聞いたよ。辛かったね」

泣いているため声が出ない

「亜美…私祐介と別れる」

「え?」

突然のことで私は驚き、涙が止まってしまっていた

「慎の所に戻る」

「どうして?何があったの?」

由里は海を見つめながら坂下とのことを話しだした
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