七転び…八起き?
ーー …有難う、皆…大好きだよ ーー
最後に見せたのは
笑顔だった
『最悪な出会いをした夏の始まりから1年半。
みんなは…笑っていますか?』
全員が、顔を上げた
『俺の大好きな笑顔で、みんなが卒業式を迎えてくれることを…祈っています。
みんな…卒業、おめでとう。』
ーー卒業おめでとう!!ーー
頭の中で、『アイツ』の声が聞こえた
里中も最初と違って、少し切なそうな表情をしながら
静かに…読んでいた原稿をしまった
そして、壇上から降りていく
…嫌でも分かってしまった
この送辞の、送り主
『続きまして、卒業生答辞。
代表、相沢帆志。』