七転び…八起き?
名前を呼ばれて、俺は壇上に進んでいく
マイクの下に行って、俺は持っていた原稿を開いた
…答辞なんて、ただ用意されたものを読めばいいだけ
ずっとそう思っていた
だけど、あの送辞に対する答えは…
ーー帆志!ーー
笑顔で、俺を呼ぶ『アイツ』の姿が頭に浮かんだ
俺は持っていた原稿を閉じると
そのまま…みんなに見えるように破り捨てた
瞬間増すざわめき
あの送辞の答えは、この原稿の中に無い
答えは…俺の中にしかないのだから…
『初めてこの学園に来た時は、世界はモノクロのようだった。』