七転び…八起き?
ざわめきが少しずつ消えていく
『誰も信じられず、ただ決められた道を歩くしか無い。自分が切望していたものを持っている他人を、ただ羨ましく思うだけの毎日。
少なからず、俺達みんな…そんな日々を過ごしていたと思う。』
自分にはないものを持っている他人
秀才とヤンキーという、両極端が集まるこの学園に生まれる現象
『だけど、そんなつまらない毎日に…色を与えてくれたのは
間違いなく、お前だった。』
桜が散り始めた、高2の夏
いきなり俺達の前に現れた…転校生
『お前がいてくれたから、俺達は分かり合えた。羨むだけじゃない…自分の手で掴み取る事が分かった。
お前のおかげで、1度しかないこの3年間が、宝物だと思えるようになった。』
自由と仲間に溢れたヤンキー
信頼と未来がある秀才
どちらもそれを羨んで
妬んで
反発し合うしかなかった俺達が
こんなにも、1つになれたのは
失いたくない、大切なものになったのは…
『俺達に、大事なことを教えてくれて…思い出させてくれて、ありがとう。』