七転び…八起き?
「え?」俺は首を傾げた
「入学した時のお前、目に生気無かったもんな。
そんなお前が、みんなを感動させられるようになるなんて…あの日のお前からは想像出来ねぇよ。」
この学園に来たのは、当たり前の事だった
家の名誉の為に…県一の名門校であるこの学園に行くことは何一つおかしくはなかった
ただ…始めから引かれていたレールの上を歩いていただけだった
そんな俺が、ここに来て良かったと思えるのは…
「…『アイツ』のおかげで、俺はこの3年間を無駄にせずにすみました。」
二度と来ない、高校の3年間
それを、こんなにも良い思い出で終わることができるのだから…
「…お前、今までで一番良い顔してるよ。」
理事長の言葉に、俺は少し微笑んだ
「帆志ー!早くー!!」