閃火高遠乱舞
「一先ず、トウヤはミカエルを避難させろ!!」
「ああ!おまえはどうする?」
「残ってレイスに戦わせる!」
クラウディオの言葉と共に、我に返った宝王子が脇差(わきざし)を抜刀する。打刀(うちがたな)は生憎と更衣室に置いてきてしまっている。
(…ま、無いよりはマシかね)
そう考え直し、敵の気配を窺う。横では大山と林が、常備している武器を手にしていた。
ふと、トウヤの声がする。
「新川!!」
同時に投げられたのは、得物である槍(ランス)。少々型は違うが、剣やら斧などよりは幾分かまともに戦えるだろう。
「助かった~!!」
柄の感触を確かめながら、新川は槍を振り回した。
中央では既にラブラドールが騎士を纏めつつ戦っていた。大半は出兵しているとは言え、城には多くの近衛騎士がいる。数は負けていない。
しかし、敵は精強だった。事前に打ち合わせでもしていたのか、一糸乱れぬ動きで包囲してくる。宝王子は突きつけられる鉄刃を弾きながら、背後を取られぬように気を配っていた。この状況で背を取られれば、間違いなく討死する。よくても重体。生死をさ迷うことになるだろう。
大山や林も必死に応戦する。そのおかげで、一般の参加者は皆逃げられたようだ。ミカエルの姿もない。
宝王子の眼前に立っていた一群が、グラリと崩れる。背後から何者かが斬りかかったらしい。その「誰か」はそのまま高く跳躍した。
「あ…っ!!」
レイスだ。レイスはそのままトンと軽やかに降り立つと、向ってきていた一団を斬り伏せる。一閃で倒すその力量は本物である。
「ああ!おまえはどうする?」
「残ってレイスに戦わせる!」
クラウディオの言葉と共に、我に返った宝王子が脇差(わきざし)を抜刀する。打刀(うちがたな)は生憎と更衣室に置いてきてしまっている。
(…ま、無いよりはマシかね)
そう考え直し、敵の気配を窺う。横では大山と林が、常備している武器を手にしていた。
ふと、トウヤの声がする。
「新川!!」
同時に投げられたのは、得物である槍(ランス)。少々型は違うが、剣やら斧などよりは幾分かまともに戦えるだろう。
「助かった~!!」
柄の感触を確かめながら、新川は槍を振り回した。
中央では既にラブラドールが騎士を纏めつつ戦っていた。大半は出兵しているとは言え、城には多くの近衛騎士がいる。数は負けていない。
しかし、敵は精強だった。事前に打ち合わせでもしていたのか、一糸乱れぬ動きで包囲してくる。宝王子は突きつけられる鉄刃を弾きながら、背後を取られぬように気を配っていた。この状況で背を取られれば、間違いなく討死する。よくても重体。生死をさ迷うことになるだろう。
大山や林も必死に応戦する。そのおかげで、一般の参加者は皆逃げられたようだ。ミカエルの姿もない。
宝王子の眼前に立っていた一群が、グラリと崩れる。背後から何者かが斬りかかったらしい。その「誰か」はそのまま高く跳躍した。
「あ…っ!!」
レイスだ。レイスはそのままトンと軽やかに降り立つと、向ってきていた一団を斬り伏せる。一閃で倒すその力量は本物である。