【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

あの日の感情を再確認したくて私はここに来た。

 「お久しぶりですね。」

カウンターに翡翠が座ると懐かしい声がした。

 「マスター、憶えててくれたんですか?」

 「もちろんです。いつもお飲みしてた物でよろしいですか?」

 「えぇ。」

翡翠の前に出されたカクテルはピーチの甘い香りがした。
そのカクテルは当時常連だった翡翠のためにマスターが考案したオリジナルの
カクテルで翡翠の一番のお気に入りでもあった。

 「懐かしい。」

口にするとあの頃のことを思い出す。

 「マスター、彼はここに・・・」

 「来られますよ。 週3日ほど」

翡翠はあの日以来一度もここには来ることがなかった。
あの雨の日から・・・

琥珀が家にくることはわかっているはずなのに。
翡翠はひとり懐かしいカクテルを口に運ぶ。



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