【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

どれくらい眠ったのだろう・・・ 翡翠は頬に触れる温もりを感じ目を開けた。

 「ごめん。起こしたみたいだね。」

聞こえてくる声も目の前にいる存在さえも信じられない。
これは夢・・・。

 「主任泣いていたから」

翡翠は琥珀に言われて自分が寝ながらも泣いていたことに気づかされた。
枕にもはっきりと涙の痕は残っている。

 「なんで・・・」

夢ではなく、琥珀が涙を拭いてくれた温もりで目が覚めたことに気づくと翡翠は枕をきつく抱きしめていた。

 「あの女が主任の所に行ったって聞いて心配で・・・」

 「嘘」

 「嘘」

 「嘘。 そんなの嘘に決まってる。」

翡翠はあふれ出る涙も構わずに叫び続けると抱きしめていた枕を思いっきり琥珀に投げつけた。

それでも琥珀は顔色ひとつ変えずに翡翠を抱きしめ「ごめん」と誤った。
久々の琥珀の温もりと匂いに包まれていく感覚。
それでも翡翠の頭は冷静に考えている。
琥珀が謝る訳を・・・

部長と琥珀の関係の事?
夫人の事?
織江の事?

それともすべての事?

琥珀に抱きしめられながらも翡翠の感情は冷静に冷めていく。
あんなに会いたかった琥珀があんなに待ちわびていた琥珀が目の前にいるというのに。




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