【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
挙式の準備が進む中、琥珀の姿は一度も見かける事がなかった。
相変わらず横にいるのは夫人で、この頃では織江のご両親も同席していた。
この日は織江のウエディングドレスの最終仮縫いの日でもあった。
織江のウエディングドレス姿に歓声が起きる。
鎖骨が綺麗な織江。首から鎖骨指先まで素肌を露出するビスチェドレスが良く映える。
このドレスを選ぶ時も夫人の毒舌は健在だった。
「もっと露出を控えた物を用意して。神崎グループの嫁がそんなに肌を露出して、はしたない。」
翡翠は織江がこれまで夫人の意向を第一に挙式プランを立てていた事を知っていた。
全て翡翠に任せると言いつつも誰よりも口出ししてきたのが夫人だった。
その度に夫人の顔色を伺いながら準備をする織江だった。
普通なら新郎が間に入って事を丸く収めるであろう場面でも織江はグッと堪えていた。
いくら挙式も仕事のうちと言われ続けている織江であっても納得いかないところも多かっただろう。
琥珀と織江の肩にのしかかっている物の大きさに翡翠は何とも言えない切なさを感じていた。
そして極めつけはドレス。
織江は自分のスタイルを熟知したうえで自分にどんなデザインが似合うか良く分かっていた。
一番最初に手に取ったドレスを身に纏った織江は、スタッフから溜息が漏れるほど綺麗だった。
そのドレス姿の織江を夫人は否定したのだ。
翡翠はドレスくらいは織江に好きなデザインを着せてあげたかった。
「ものすごくお似合いですよ。このドレスでしたら会長夫人が贈られた宝飾がよく映えると思いますわ。」
翡翠は手袋をはめると、当日織江の胸元を飾る夫人から贈られたダイヤのネックレスで織江の胸元を飾った。
時価1億円とも言われるそのネックレスは露出した織江の胸元で上品な輝きを放った。
こうして渋々ながら織江が選んだドレスを夫人に納得させた。