【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

念願の純白のドレスに身を包みながらもどこか表情が暗い織江。
ドレスのウエストの部分が掴めるほどにまた体系が痩せていた。

「織江さん、ダイエット頑張ってるんですね。」

 「えぇ。」

 「でも元々整った体系されていますから、そう頑張らなくても大丈夫ですよ。
今日が最後の仮縫いになります。この体系を維持してくださいね。」

 「はい。」

マリッジブルー。花嫁が挙式を前に精神的に落ち込むことがある。
織江もそうなんだろう。
特に織江の場合夫人の意向で挙式の準備期間も短かった。
毎日のように慌ただしく細々したことが決められていく。
そこまでして挙式を急ぐには理由(わけ)があるのだろう。
翡翠は一度も顔を見せない琥珀の事が気になった。

ただでさえ普通の家柄とは違い挙式の規模も半端ない。
招待客のリストには芸能界を賑わす著名人から政治家の中でもトップクラスの方の名前までぎっしりと記載されていた。

それだけでもプレッシャーも半端ないだろうに息つく暇もない織江。

織江の力になってあげたい。
翡翠は夫人と戦う同士のような感覚で織江を見ていた。

しかしそう思う反面、琥珀を失ってもまだ想い続けてもいた。
翡翠を選んだ琥珀を切り捨てたのは自分だと自覚したうえで。
自分の心は狭く浅いものだと、琥珀の方がどれほど広く深い心の持ち主かと言う事も気づかされていた。

それなのに琥珀を想えば想うほど惨めにもなったし怒りをも感じていた。
そんな感情がいつか愛情よりも増して疑念の目で琥珀を見てしまうのではないかと翡翠は恐れた。
結果琥珀がついた嘘を許すことが出来ないという事だ。
許すことが出来ない以上琥珀といることは出来ないと翡翠は判断した。

愛してそして信じていたからこそ琥珀の事を許すことのできない自分を見ないふりは出来なかった。

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