キレイをつくる保健室
「花崎が絵が得意とは知らず、保健室に留めて、失礼しましたね」

あたしは塚田と距離を取りながら微笑んだ。

「でも、塚田先生、花崎ナミはちょっと清潔でないというか、……だらしないと言いますか」


塚田の太い眉がピクッと上に引き上げられる。

気に触るのかしら。
本当のことだし。ナミは数週間前まで汚なかった。


「身だしなみは女の子の基本ですからね、それを教えたのです」

堂々と塚田に言ってやった。どうだ!
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