恋愛依存症
紀子の記憶にいるパパはいつも怒鳴っていて震えるほど怖い人だ。

紀子が小学校3年生の時、

パパの経営していた事業が倒産し、

1件家から小さなアパートへ引っ越した。



暮らしはママが働いて支えた。



パパは仕事を転々としていた。

夫婦喧嘩が絶えなくなり、

4年生の頃には、

パパはお酒を飲み、

家族に暴力を振るうようになった。




休日の昼間はよく、ママが窓から外に蹴り出されていた。



その度に網戸が外れた…。


紀子は、一目散に駆け寄って

「ママ、大丈夫?」

と声をかけたかったが、

パパが怖くて傍に寄れなかった。



ただただ、ここが2階じゃなかった事を神様に感謝するしかなかった。
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