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学園はリムジンやらの高級車でごった返していた…

「ここでいいや」

「そうね。佐々木さん」

「はい」

佐々木はすぐ降りて扉を開ける。

「良いご入学式を…」

「うん」

「私は後で行くから。やよいのイケメン写真をあとで沢山撮らなくちゃねぇ~」

「ははははっ…」

写真なんて撮っても意味ねーよ。
俺はとぼとぼと学園内に入った。



下駄箱の前で靴をしまっていると、なにやら叫び声が聞こえてきた。

「お嬢様!」

「もぉ~。いい加減うるさいわねぇ。私は一人で歩けます。ボディガードなんていりません」

俺は叫んでいる女の子と目があった。
大きな瞳に、黒く長く少しウェーブのかかった髪。
この子もこの学園の生徒かな…

女の子はすたすたと歩いていってしまった。
ボディガード?らしき人は仕方なく玄関から出て行ってしまった。


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