愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
そう言って、あたしの前に立って戸を開けた。
あたしは蓮の背中で中がどうなってるのか全く見えない。
「あ、蓮さん! おはようございます!」
ある子が蓮に気づいたみたいで、それに反応したように他の人たちからも大きく挨拶の声が上がる。
だけど蓮は、それに小さく答えただけで中に入ろうとしない。
それどころか戸を閉めてしまった。
「ちょ、蓮? 何してるの?」
「俺とお前はここで待機だ」
「え、なんで?」
「……あいつらまだ着替えてやがる」
「なるほど」
つまりあたしは中に入れられないと。
あたしは別に構わないけど、他の人はそうじゃないだろうし。
みんな年頃の男の子だし、寝起きの寝癖付きの髪の毛とかは特に見られたくないかもしれないしね。
そのまましばらく待機していると、あたしたちが寝ていた部屋の方から人影が向かってきた。
大河と菜穂だ。
よっぽど大河を起こすのが大変だったのか、菜穂は心なしかげっそりしている。