愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】




「んだよ、菜穂。 怒ってんのかよ」

「怒ってないわけないでしょ。 朝から人をこんなに疲れさせといて」

「悪かったよ。 でもだからって寝起きの悪さってどうにもなんねぇんだからしょうがねぇだろー」



全く反省の色が見えない発言だ。

『しょうがない』で終わらせるあたり、ただ謝るよりもタチが悪い。

菜穂もそんな大河に小さく溜息をついている。

だけど、そんなことでは菜穂は大河から離れない。

今だって態度では嫌そうにしながらも二人の間の手は握られている。

惚れた弱みってやつだろうか。



「あ、もうみんな集まってるの? 意外と早かったね」



タカのまた後ろから現れたのは、さっきぶりの颯。

その横には隼もいる。



「じゃあ、準備できた人から裏庭に行こうか」



颯の言葉に中にいた人もぞろぞろ出てきて、今日初めて顔を見たであろう大河と菜穂に律儀に挨拶する。

それから向かっていくのは、中庭とは逆の、多分裏庭の方向。

「裏庭?」

「うん、裏庭。 毎年バーベキューはそこでするんだ」




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