愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
あたしの疑問に答えてくれた颯にへぇ、と相槌を打ちながら蓮たちと一緒にあたしも裏庭の方へ歩いて行く。
しばらくして目に入ったのは、中庭とはまた違った雰囲気のお庭だった。
中庭は立派な日本庭園だったが、裏庭はむしろアメリカン。
小さな公園くらいの大きさの庭は芝生張りで、大の男が10人は優に寝られそうなウッドデッキ、そして教室の半分くらいの大きさのプールもある。
庭の奥には昨日行ったビーチも見えた。
「え、ここどこ」
あたしが発した言葉は、もっともな反応だと思う。
あたしたちがいるのは、“和”で溢れた旅館『加賀美』のはずだ。
だが、だがしかし。
目の前に広がるのは、日本とは思えない外国風のプールまで着いている立派なお庭。
そこに“和”というのは見受けられない。
「どう?真梨ちゃん。ここを初めて見た感想は」
「いやだから……ほんとここどこ」
『加賀美』とは思えない雰囲気に、あたしは颯にそう答えるしかない。
颯はそんなあたしを見て、イタズラっ子のように笑った。