愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「あっ、やべ、落ちた」
「ナオだっさ~」
レースコースから外れて落ちてしまったナオとそれを煽るユウの声にハッと意識をゲームに戻す。
視線はしっかりとモニター画面を捉えて、手元もコントローラーを握って器用に操作しているのに、心臓だけがドッドッと酷く音を立てる。胸が軋むように痛い。
それから何分経っただろうか。
トントントン、階段を上がってくる足音が聞こえる。
そしてこの部屋の扉の前で足音を止めた。
――コンコン
上品に扉をノックする音。
こんなことをするのは、由美さんだけだろう。親父はノックなんてしない。
「はーい入って良いよー」
モニター画面から視線を逸らすことなく、ユウがノックに反応する。
――ガチャ
扉が開く。
チラリとそちらを向くと、去年とあまり変わらない由美さんの姿が見えて、すぐにモニター画面に視線を戻した。
「タカくん、おかえり」
久しぶりに聞いた、由美さんの声。透き通った、綺麗な声。
その声に素っ気なく返事をした。
「……あぁ」