愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
でも、浮気なら何で……何で俺に初めても何もかもくれたんだよ。
そんなことするから自惚れんだよ。
菜穂も俺のこと好きなんだって、思っちまったんだよ。
だけど、それはただの俺の思い違い。
何で俺に初めてをくれたかはわからないけれど、菜穂が浮気しているのは事実だろう。
「…別れるか」
「え……」
俯いている俺に、そう零した菜穂の顔は見えない。
「もういい。疲れた」
嘘。
別れたいわけじゃない。
ただ、きっと菜穂は俺のことなんか好きじゃねぇから。
他の、さっきの男のことが好きだから。
だって、そう言うことだろ?
今、菜穂の家の中にその男がいると言うのは、まぎれもない現実だから。
その現実が、菜穂が想っている人を痛いくらいに感じさせた。
「たい、が…」
こんな時に名前なんか呼ぶんじゃねぇよ。
ほんの少しのことで心が揺らぐ俺がムカつくから。
それだけ菜穂のことが大好きな俺がムカつくから。
「さよなら」
菜穂なんか、大学落ちてばあちゃんになるまで浪人でもしちまえばいいのに。
そんな、馬鹿のことを思いながら、菜穂に背を向けた。