ONESTAR
思春期の気の迷いだとか、姉として好きなんだとか、そんな陳腐な科白をねーちゃんから聞きたくはなくて、なんとか立ち上がる。

俺の一世一代の告白を、

冗談なんかにしてしまいたくなくて、

そのまま、ガクガクしてる足でなんとか部屋を出る。

キッチンで調理をしている店長の邪魔をしていたナツキが、

「あー、ヨッちゃんまた泣いてるー。」

と、子供を囃し立てるように言い、よたよた部屋から出てきた俺に駆け寄って、俺の顔を覗き込む。

そのままナツキに抱きついて、

掠れて震える声で「……言った。」と呟いた。

俺が、何を「言った」のかが分かったらしいナツキは、俺をそっとソファに座らせてくれた。
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