ONESTAR
「震えてるー、ヨッちゃん、かわいいー。」

そう言って、からかうようにナツキは、俺の頭を抱き、いい子いい子と言った。

いい子じゃねーよ。

だって、俺のこの思いは、禁忌だから。

ねーちゃんの迷惑にしかならないから。

「ヨシアキも食べるか?」と、店長が俺に向かい、ねーちゃんの為に作ったスープを指差す。

あー、店長、俺を呼び捨てにしてる、と思いながら、

頷く。

まだしゃべることも出来ない。

ああ、何かもう、

俺、

何やってたんだろう。

こんな長いこと、

何を。

今は、

この爆発しそうな思いをねーちゃんが知ってくれただけでいい。

俺は、

諦めるなんて一生出来ないから。
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