ONESTAR
すでに、朝起きるとおなかが痛いだの頭が痛いだの言い始めてた俺を、

おかしいとは思ってたんだろう。

俺を揺り起こしたおふくろは、もうすでに泣いていて、

わけがわからず驚く俺に、

「どうして言わなかったの。」と繰り返した。

いじめに合ってた事じゃなく、

俺がそれを黙ってたことに泣いてるんだと知った俺は、

ずっと我慢してた言葉を口にした。

「学校に、行きたくない。」と。

「で?」

「え?」

「だから?」

「だから?」

「ねーちゃんのおかげで俺のいじめが発覚して、事態が好転して良かったねって話だよね?」

「違うでしょ?必死になって隠して来たのに、あたしのせいでバレちゃって大変だったって話でしょ?」
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