愛花

失ったもの

私が仲矢さんから悠史さんに呼びかえた頃クリスマスがやってきた。

クリスマスは二人で過ごそうと家でホームパーティーをすることにした。

洒落た料理が出来るわけでもないけど彩りとクリスマスらしさを考えて飾り付けてみた。

ろうそくを立てて雰囲気を出してみた。

約束の時間は過ぎていた。

 珍しいな。遅れるなんて…

不安になる。

 事故にあったとか…

想像は悪いほうへ向かって不安になる。

゛ゴメンね!遅くなって!″

悠史さんが来た。

 よかった…無事だったのね

゛どうしたの?泣いてるの?僕がすっぽかすとでも思ったの?″

゛違う。事故にあったとか考えてたら涙が出てきただけ。安心したらまた泣いちゃった。″

悠史さんは優しく抱いてくれた。

゛メリークリスマス。アヤちゃん″

゛メリークリスマス。悠史さん″

悠史さんは花をかたどったペンダントをくれた。

私は万年筆を贈った。

祖父が昔、使っていたものと同じメーカーの色違いの物だった。

悠史さんのくれたペンダントは青い花びらが可憐だった。

゛素敵なプレゼントありがとう″

二人で言ったのが同じだったので笑ってしまった。

そして、キスをした。
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