愛花
雅美と悠史さんが別れてから雅美がデザイナーのおばさんの仕事を手伝い始めた頃に妊娠がわかったそうだ。

悠史さんのことが忘れられない…と思った雅美は子供がいれば生きていけると思ったそうでまわりに気付かれないようにしていたそうだ。

さすがに大きくなっていくお腹にまわりが気付いたときにはもう産むしかない時期になっていた。

゛別に悠史がいやだって言えば私は一人で育てる気だったから別によかったのに。出産してから結婚することになっちゃった。″

 やっぱり幸せは続かない…

゛おめでとう!
今度悠史さんが来たらとっちめてやんなきゃね。″

何言ってるんだろう。

後何を話したか覚えてない。

気が付いたら家に帰っていた。

そういえば電話もない。

やっぱり悠史さんは雅美と結ばれるんだ。

寂しいな。

今年のお正月、寂しいな。

悲しいよ。

雅美から聞いたから余計に辛い。

直接、言いに来てよ。

あなたの口から聞きたかった。

何か言ってよ!

家の中で泣いた。

大声を出して泣いた。

心が引き裂かれていった。
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