愛花

圭織(母の話)

圭織は父と母に愛を惜しみなく注がれて育てられた。

父からは優しさを母から教養を教えられて育った。

圭織は中校生になった。

父が趣味で描いていた絵を見て育った圭織は自分でも描いてみたいと思った。

クラブ活動に美術部に入った。

部員が多いわけでもないが個性的な人が揃っていた。

゛真中…圭織さん?私、部長の畑中です。新入部員って久しぶりなんでガンバッテね。絵画?造形?好きなときに描いていいからね。顧問は美術の武智先生。鍵がかかってる時は先生にもらって開けて入って描いていいからね。″

゛はい。ありがとうございます。″

畑中部長は背が高く髪が長く、油絵を描く。

副部長は佐藤さん。

学年で成績はトップであまり部活に出てこない。

勉強の合間に時々来ては白いキャンパスに描きなぐって帰る。

ストレス解消なのだそうだ。

後は名前だけの幽霊部員だからほとんど出てこない。

顧問の武智先生は時々来ては感想を言う。

指導はしない。

クラブ活動なのだから自由に描くべきなのだ…というのが先生の持論だ。

圭織は最初は何をしていいのかわからなかったので部長に相談した。

゛んー。そうね。スケッチブックに手当たり次第描いてみたら?そこでキャンパスに写してみたいものに出会えたら描いてみたら?″

圭織はいろんな物を描いてみることにした。

まずは目の前にある筆箱、本、人…両親を書いてみた。

キャンパスに写してみたいものに出会えた。

両親を描くことにした。

モデルになってもらうのも恥ずかしかったので写真を模写することにした。

圭織は思った。

゛私はお父さんに似ているけどお母さんにはあまり似てないな…″

素直な感想だった。

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