それでも、まだ。


『…うーん、見つからないなぁ……』


書斎に戻った神田は普段見ないような所まで念入りに調べてみたが、一向に先程のようなものは見つからなかった。


『そう簡単には見つからないよね……あっ!!』



神田はふと身に付けていた腕時計をみて、思わず声をあげた。


時計はもうすでに6時近くになっており、この時間は神田が夕飯を作る時間でもあった。


今から抜け出しても、この時間だとすぐに誰かに気づかれてしまうだろう。


『…明日行こう…。』



ちょっとほっとしたような気分になった神田は、また静かに書斎を出て、重い足取りでキッチンへと向かっていった。



神田の後ろでは、シロがもの言いたそうに座って尻尾を揺らしながら神田を見ていたが、神田は気づくはずもなかった。
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