それでも、まだ。
その日の夕食から、これまでの食事とはガラリと雰囲気が変わってしまった。
神田が来て、料理するようになってから、必ず城内にいる幹部はご飯をきちんと食べに来ていたが、それもなくなってしまった。
神田が料理を作っておき、しばらくたってから各自ぱっと食べにくるという感じになっていた。
神田が唯一毎日顔を合わせるといったら、シキぐらいであり、他の幹部たちにはもう事件から一週間も経つが全く会っていなかった。
シキもなんだかよそよそしく、神田は料理をする以外は部屋に引きこもることが多くなった。
『はぁ……………。』
神田は部屋で、窓際でぼんやりと外を眺めながらため息を吐いた。
書斎での秘密部屋を見つけてから、何度か書斎に赴いたが、他は全く見つからなかったし、この建物からで出ようとしても最近は下の階が騒がしく、なかなか抜け出せる機会が掴めないでいた。
『なんだかなぁ…なんとかして外に出たいんだけどなぁ……』
セシアは元気になっただろうか。
神田はセシアのこともとても気になっていた。事件以来あってないのだ。見舞いも他の人たちと会う可能性があるため、行けなかった。
最近はなんだかとても息苦しい。組織内の雰囲気がピリピリしているのが手に取るように分かった。
『…浮かない顔ですね?』
『………っ!』
窓から声が聞こえ振り向くと、黒組織のボス、シーホークが窓にいつの間にか座っていた。あの、機会的な笑みで。